「自然は美しく老いる」 8月4日
一昨日テレビで武田鉄矢さんが “国字” についてレクチャーされていました。
国字は日本で作られた漢字の事で、5.000文字ほどあるとか。
「凪」「峠」「雫」「笹」「躾」などがあげられていました。
「日本人の豊かな感性が作り出した」「一文字で正確に複雑な風景を描き込む」などと
説明されていました。中国から伝わった漢字があるのに、身近な情景を漢字に
したいという日本人の思いや、感性に感心しました。
今より、自然が身近にあったのにもかかわらず、自然を近くに置きたくて風景や色を
「伝統文様」や「伝統色名」という形にして、着物や身の回りの品に描いたりしたとか・・・。
「雨の名前」「風の名前」といった本は、1冊全部雨や風の名前で、自然現象にも多くの
名前を付けた私達の祖先の感性には、本当に感心します。
先日参加した「景観講習会」の 講師の一人 “加藤幸枝” さんの講義は、
とても分かりやすく、論理的で説得力のあるものでした。特に強調されていたのは
「自然の色に学ぶ」事で、講義の最後の言葉は「自然は美しく老いる」です。
スクリーンには黄色〜茶色のグラデーションの葉が並んでいました。
秋に撮った葉っぱの写真です。色とりどりなのに、まとまっていて枯れ葉も美しい。
日本には「枯れの美学」というものがあるのは知っていましたが、
「自然は美しく老いる」を聞いた後、散歩に行って気づきました。
青々しい竹。
「若竹色」です。
枯れても美しい「老竹色」です。
朽ちても美しい「朽葉色」です。
私達の祖先は、枯れても美しいと感じていたから、ちゃんと名前を付けていたのですね。
連綿と受け継がれて来た日本人の感性、大切にしてゆきたいと思います。
by hinageshi1128
| 2014-08-04 22:22
| カラー&デザイン