「錦織圭の左手」 5月17日
“大浮世絵展” の図録に、名古屋市博物館副館長の神谷浩さんが書かれた気になる
文章がありました。
「『写楽は・・・手首の描き方が応々にしておかしな場合がある。この江戸兵衛も
その一つに入れられよう・・・』という解説を読んだことがある。デフォルメが強烈
すぎてなかなか共感されづらかった鬼次(歌舞伎役者)の手だが、
テニスの錦織圭の左手は、大谷鬼次と同じ形に開いているのである。」
活躍目覚ましい錦織圭選手の左手は、確かに浮世絵と同じ開きでした。
文は「写楽は、指先まで気を配って演技をする大谷鬼次の、役者としてのまっとうな
姿を描いているだけなのである。」と続いています。
こんな風に演技を表現した、写楽の観察眼はすごいなと思うし、
世界ランキング9位の錦織選手の左手もすごいなって思うし、
写楽の描写と、錦織選手の手の動きを結びつけた神谷さんもすごいなと思います。
そして一番すごいなと感じるのは、歌舞伎役者の鬼次の演技です。
江戸時代にタイムスリップして芝居小屋に潜り込んで、歌舞伎を楽しみたいものです。
歌舞伎役者は流行色を生み、トレンドセッターだったとか。
彼らは、情熱的に舞台をこなすファッションリーダーだったのですね。
by hinageshi1128
| 2014-05-17 23:38
| カラー&デザイン